漫画『鬼滅の刃』の第205話(最終話)が公開され、先日から大きな話題を呼んでいる。
この鬼滅本誌の最終話の内容に関して賛否両論で盛り上がるなか、なぜか作者の性別が女だと確定したことでも炎上していた。
ならば乗るしかない、このビッグウェーブに!
賛否両論の『鬼滅の刃』最終話について、漫画研究家の堕天使エヌが見解を述べたい。
普通にネタバレするので注意。

鬼滅本誌の最終回に伴い、週刊少年ジャンプが品薄で売り切れ続出という噂が流れていた。
この噂の検証のため、近所の本屋で実地調査をしてみた。

「鬼滅の刃」最終回の影響で少年ジャンプが品薄になるというデマ
大量に販売されていた。また転売ヤーの流したデマだったのだろうか。
なお、私は購入していない模様。そもそも鬼滅本誌をチェックしていない。漫画研究家とは何だったのか。

『鬼滅の刃』は、アニメ版を視聴している。



個人的にネタバレは見ずにストーリーを追う主義なのだが、『鬼滅の刃』に関しては、それほど期待度は高くないうえにネタバレが氾濫しているので、いっそのこと結末としての是非をレビューする。つまり、漫画『五等分の花嫁』最終話レビューと同様である。



それでは、本題に入ろう。
『鬼滅の刃』は、最終話以前の段階で登場キャラクター達が相次いで恋愛フラグを立てたことにより、漫画『銀魂』由来の「最終回発情期(ファイナルファンタジー)」現象が囁かれていた。また、これほどの人気作を引き延ばさず終わらせるならば、ジョジョ方式で連載が継続される説も提唱されていた。


あっさりとネタバレしてしまうと、第205話(最終話)にて最終回発情期(ファイナルファンタジー)が確定し、未来で子孫が平穏な日々を送る様子が描かれて終わる。いわゆる「子作り未来エンド」である(いわゆらない)。
この最終回の結末が賛否両論を呼んでいる。
鬼滅ファンの中でも、謎の超展開に困惑や憤慨の意を示す者、作者の考えた結末こそが正義とする作者至上主義者、カップリングの組み合わせが気に食わないとするカプ厨など様々な派閥が生まれた。

こうした様々な意見がある中、『鬼滅の刃』結末のネタバレを参照した私の見解としては、良い最終回だとは思わない。むしろ酷い最終話に殿堂入りしてもおかしくないとさえ考える。
以前から私は、アニメやマンガのレビューにおいて、結末を重視する評価姿勢を示してきた。これは別に特殊な思想ではないだろう。
そして、もし結末で未来を描くのであれば、そこに結末に相応しいだけのメッセージ性があるべきだと考える。漫画『鬼滅の刃』には、それがあっただろうか?
例えば、『ファイナルファンタジーⅦ』(FF7)では、救われた世界の未来がエンディングに映し出されるわけだが(唐突な他作品のネタバレ)、それによりプレイヤーに大きな余韻が与えられた。
一方、『鬼滅の刃』の未来エンドは、どのような意図があるのか理解しかねる。これまで血みどろのエグい展開だったから最終話で浄化する目的であるとしたら、安易で酷い結末と言わざるを得ない。
個人的には最終話は蛇足だったという印象が濃厚である。

ただし、最初に述べたように、私はアニメ放送話以降の展開を知らない。そのため、鬼滅最終話が神回となるような伏線があった可能性が微粒子レベルで存在している。全く想像できないがね。

ここまで否定的な意見ばかり述べてしまったけれど、御自慢のツンデレ属性で褒めておくと、やはり引き延ばしせずに最終話を迎えた点は賞賛すべきだと考える。
既に煉獄さんのスピンオフ漫画『煉獄外伝』の制作決定が告知されているが、その他のスピンオフ作品が出てくると見て間違いないだろう。
そして、これほどコンテンツの話題性があるのだから、アニメ第2期が放送されないわけがない。
この手の賛否両論の結末を迎えた作品のレビューで毎度のように主張している気がするけれど、メディアミックスの際には、原作とは異なる結末を期待したいところである。
マルチエンディングこそがメディアミックスの持つ可能性であり、原作とのシナジー効果を生むだろう。
――と、意識高い感じで締めるとしよう。

以上、【賛否両論】『鬼滅の刃』最終話をアニメ組視点でネタバレ考察した。