2019年秋アニメ感想戦の第4弾として『この音とまれ!』をレビューする。
最終回ラッシュで忙しい今日この頃。明日は今期アニメランキングを作成する予定。
例のごとくネタバレメインにしないが多少ネタバレ注意。

アニメ『この音とまれ!』は、少年漫画原作であり、今期の分割2クール目で最終話を迎えた。和楽器「筝」を題材にしている。
個人的に不作な2019年春アニメの中では、『この音とまれ!』の1クール目を私的覇権アニメとして高評価している。

2019年春アニメ総評☆ニートが選ぶアニメランキング2019春


覇権アニメと評しながらも個別レビュー記事を作成していなかったので、全体的な印象から書いていこう。
アニメ『この音とまれ!』からは、少年漫画原作でありながら少女漫画らしさを感じた。これはキャラクターの作り方によるものだと思われる。キャラクターの設定が少女漫画的なので、人間関係や会話に少女漫画らしさが出てくるのだろう。これも私が好きなポイントである。

個別で一部キャラクターについて簡単な考察。

・久遠愛(チカ)
主人公。まさに少女漫画のヤンキー系イケメンのような印象。まっすぐで格好良くて、たまに可愛らしさを見せてくれる。

・鳳月さとわ
メインヒロイン。個人的評価として、最近のアニメの中では最も魅力的なヒロインである。才色兼備でありながら、トラウマを抱え、不器用さも目立つ。ツンデレの要素も有するが、ツンデレというカテゴリでは言い表せぬ、この萌え出づる感情よ。
ある意味では、絢辻さんにも通じる。さとわちゃんは裏表のない素敵は人です。

ヒロインを学ぼう†ゲーム『アマガミ』プレイ後記†


・滝浪涼香
筝曲部顧問。個人的に好きなキャラクター。
音楽一家のサラブレットとして生まれ才能に恵まれる。血筋・才能・勝利のジャンプ漫画であれば主人公属性である(実際ジャンプスクエア漫画だが)。
滝浪先生の魅力は、達観的と見せて熱心なところにある。そして、第2クール開始から露骨にデレ始めて愛おしい。今年一番のツンデレ男子として評価したい。

・堂島晶
筝曲部外部指導者。第2クールから登場の新ヒロイン(?)。
このキャラクターもすこ。虐めたくなる可愛らしさ。

早くも個別キャラクター考察終了。
全体的に各キャラクターの設定が丁寧に作られていると感じる。
ただ、1つだけ難点を述べておくと、登場のさせ方、導入エピソードがワンパターンだとも言える。「嫌な奴」として関わってきて「根は良い奴」だったと判明する展開が多いように思われる。これはツンデレの魅せ方として王道なのだが、やり過ぎると視聴者から飽きられてしまう。
と言っても、『この音とまれ!』ではそこまで悪いイメージはないけれど。

物語として「筝」の演奏が重要になるわけだが、この手の文化活動はスポーツに比べて表現が難しい。
テーマとする文化の知識がない相手を楽しませる良い例としては『ヒカルの碁』が挙げられる。あれは絶妙にうまかった。
『この音とまれ!』では、相手校のキャラクターで色付けしていて、それが演奏のイメージを効果的に与えていたように思われる。やはりキャラクター作りのセンスが良い味を出している。

ここから少し具体的なネタバレ投下。
最終回前話の第25話「天泣」では、大いに盛り上げる展開を見せた。だが、時瀬高校(主人公陣営)が急にパワーアップしていることに若干違和感を覚えた。まあ、多少の御都合主義も展開として必要だとは思う。
アニメ評価「この音止まれ!第2クール」最終話視聴後の感想レビュー
「天泣」から堂島晶の名シーン。壊したい、守りたい、この笑顔。
そして第26話(最終話)「スタートライン」にて時瀬高校が優勝する。多少の御都合主義(ry

少女漫画らしい作品だと思いながら視聴してきたが、なんだかんだで「友情・努力・勝利」のストーリー展開で、実はジャンプ漫画の王道を征く作品とも言えるかもしれない。
少女漫画的なキャラクターで少年漫画的なストーリーを展開したと言ったところか。
難点も挙げたが、総合評価としてアニメ『この音とまれ!』のクオリティを高く評価する。2019年秋アニメの覇権候補と言えるだろう。

以上、アニメ『この音とまれ!』の考察/感想/評価/レビュー。