ビジネス書『場を支配する「悪の論理」技法』(とつげき東北)を紹介したい。
この書籍に関しては、有用な知見を得られたという面もあるが、それ以上に強い共感を覚えた。
個人的に類まれな良書なので強く推奨していきたい。


『場を支配する「悪の論理」技法』(とつげき東北)との出会いは昨年末。
とある書店に平積みで推されている本書が目に留まった。

場を支配する「悪の論理」技法(とつげき東北)の思想で遊ぶ快楽

そして、ほとんどジャケ買いで購入してきた。
サブタイトルの「常識・道徳・権力からの解放と、思想で遊ぶ快楽」に心を惹かれた。
帯の「ビジネスと人生に使える知の覚醒書。」という表現も好き。

この堕天使ブログではニートの象徴たる堕天使エヌの思想を垂れ流してきた。
敬虔な信者の中には、『場を支配する「悪の論理」技法』は堕天使エヌの著書なのではないかと推測する者もいるかもしれない。
私自身、これほどまでに自分と近い思想に初めて触れて、感動している。

この堕天使エヌが激しく共感する思想が記載された『場を支配する「悪の論理」技法』の著者「とつげき東北」について紹介しよう。Wikipediaからコピペしてくるだけの簡単なお仕事。
とつげき東北 は、兵庫県出身の雀士、麻雀研究家である。2001年東北大学工学部通信工学科卒業、2002年北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科中退。大学院中退後、国家公務員となる。2018年10月現在は、国家機関を離れ、某研究機関で統計学関連の研究に従事。元東京大学非常勤講師。
このように肩書が雀士、麻雀研究家として表記されている。
とつげき東北は、『科学する麻雀』シリーズが代表作のようだ。


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実はこの堕天使エヌも麻雀に精通している。
特に、プラスマイナスゼロ調整、ステルス捨牌、おっぱいでイカサマなどの戦術を得意とする。

例のごとく前置きが長くなった。『場を支配する「悪の論理」技法』の内容に入ろう。
本書で言うところの「悪の論理」とは、作中の言葉を借りれば「理屈では間違っているのに、一見正しいとされる論理」である。
この「悪の論理」は、知識階級が意図的に使い、無能大衆が無意識に使う。
より具体的には、自分の間違った主張に説得力を持たせ、相手の間違った主張を論破するものである。
とつげき東北先生いわく、「悪の論理」を使いこなすことにより思想で遊ぶことができる。

私の主観的な肌感覚として、SNSなどが活発化したせいか、特に最近のインターネットでは知性の低い論調が増加している。
こうしたトンデモ理論が「悪の論理」に基づくものであり、「悪の論理」を習得することによりネットライフがより快適になることだろう

『場を支配する「悪の論理」技法』の構成を紹介する。
Ⅰ なぜ、あなたの主張は通じないのか?
Ⅱ 悪の論法の見破り方と使い方
Ⅲ パワーゲームと論理、そして非論理
ここから、本文中の注目ポイントを引用していく。

「ニートこそ真に優れた人間」の理由とは?
根拠のない感情論が分析されている。
現役ニートとして、ニートが題材になることが嬉しいのでピックアップした。

他人と議論したり意見交換するときに必要なものは、論理的側面からだけ挙げるとしても、以下の3つがある。
【1】正確な情報分析結果及び知識を持っていること。
【2】現実に即した正しい前提に立つこと。
【3】論理的に推論を進めて結論を得られること。
わかりやすくまとめられているので紹介した。

悪の論理にはかなりパターン化できるものがある。何か命題が掲げられたら、まず具体例にあたる。それも、かなり端的な具体例を探す。その際、できるだけ信頼性の高いソースのある事柄を使う。
この方法は私も好んで使用している。楽しい。

悪の論理にはいくつか典型的なパターンが存在し、「詭弁」と呼ばれるものに含まれることが多い。詭弁とは、推論の誤りや前提の誤りを意図的に使う議論の方法を表し、悪用すれば論理が苦手な人に勝つことができる。場合によっては、正論では決して動かすことができない相手を操ることさえ可能になる。
「悪の論理」をより一般的な表現で記載しているため、SEO対策も兼ねて引用した。

相手の使った論理を噛み砕いて、同じ論理の使い方ををすることで、相手の主張を無効にする手法はかなり使える。
この手法は実に面白い。馬鹿のトンデモ理論に基づくと無茶苦茶なことも言えてしまう。

何か「正しい」の基準が共有されていない状態とは権力的な関係にある状態であり、さらに、「正しい」の基準が共有されている状態もまた、権力的な関係にあるのだから、我々は常に権力的な関係にあることが示される。
ここだけ抜き出しても意味不明だろうが、このあたりの議論が好きなので引用した。善悪の基準を押し付ける力が働いていることが説明されている。

道徳に基づくすべての発言・行為は道徳家中心主義的であり、道徳という宗教的な迷信を信じない者に対する抑圧的な暴力であり、即ち権力の技術にほかならない。
前述の「権力的な関係」の一例として「道徳」について言及されている。
道徳だけでなく、この社会には宗教的な存在が数多く隠されている。
私も一宗教家として様々な事象を宗教とみなして分析している。

哲学とは、すべての学問のうちで、ほとんど最もレベルが低い。きちんとした学問の形になる領域は、哲学ではなくなるからだ。
とつげき東北の思想は共感できるものが多かったが、このような哲学の捉え方は発見である。
私も無駄に哲学を崇拝してしまっていたのかもしれない。

意味の呪縛からの離脱(相対化)と強度への自覚――「理屈」で物事を考える者が陥りがちな暗い淵から這い出すために必要なのは、思考の明るさ、軽やかさにほかならない。
「意味」と対を成す「強度」の説明をまとめたもの。意味だけでは理解できないことに対する一つのアプローチである。

「理想」というものは、「理想と違う」という考えを与えるという点で、人々に不安を抱かせる不安生成装置であり、道徳はその集大成なのだ。
この一文、とても好き。

『場を支配する「悪の論理」技法』本文中で特に気に入った部分を引用しつつコメントしてきた。
引用したもの以外にも興味深い記載が数多く見られた。
そして、付録「悪の名言辞典」も面白い。この悪の名言辞典には、とつげき東北先生のギャグセンスが凝縮されていると言えよう。

以上、場を支配する「悪の論理」技法(とつげき東北)をレビューした。
冒頭に述べたように、珍しく私が強く推奨したい書籍である。なお、作中では低学歴煽りが多用されているため、苦手な者は注意が必要だと断っておこう(私は大好物である)。
諸君らも知を覚醒し思想で遊んでみないか?


場を支配する「悪の論理」技法 [ とつげき東北 ]


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